クロス張替え退去費用の相場と負担ルール【2026年版】
最終更新: 2026年5月 | 監修: 株式会社Mycat 退去費用 払いすぎ診断 編集部(国交省ガイドライン準拠) | 次回更新予定: 2026年11月
クロス(壁紙)張替えの退去費用 — 結論
払う必要はある?: 借主負担だが、ガイドライン本文 p.12-14「経過年数の考慮」の減価計算(耐用年数6年)で大幅に圧縮される可能性あり。
相場は?: 相場は800〜1,500円/㎡(市場相場・SSOT準拠)。
根拠は?: 国交省ガイドライン別表第5 経過年数による減価割合(耐用年数6年)/残存価値率 = MAX(1 − 経過年数/6, 0)。通常損耗を借主負担とする特約は最高裁平成17年12月16日判決 (平成16(受)1573号)の3要件(明確性・認識合意・相当性)で判定。
クロス(壁紙)張替えの相場はいくら?
相場レンジ
800〜1,500円/ ㎡
デフォルト負担区分
按分(減価計算)
耐用年数
6年
クロス(壁紙)張替えは国交省ガイドラインでどう扱われる?
国交省ガイドライン別表第5 経過年数による減価割合(耐用年数6年)
クロスはガイドライン上「耐用年数6年」と定められています。居住年数に応じた経過年数を考慮した残存価値分のみが借主負担となり、6年以上居住した場合の残存価値は1円(実質貸主負担)です。ただし、借主の故意・過失による汚損(タバコのヤニ等)は借主負担となります。
クロス(壁紙)張替えが請求書にありますか?
AIが30秒でガイドライン基準の参考計算値を算出します。
クロス(壁紙)張替えの減価償却の計算方法は?
クロスの減価計算は定額法で行われ、耐用年数6年の場合、1年ごとに約16.7%ずつ価値が減少します。例えば、居住3年の場合の残存価値は約50%、5年なら約17%です。6年以上居住すれば残存価値は1円となり、全額張替えでも借主の実質負担はほぼゼロです。
想定ボリューム: クロス(壁紙)張替えの標準施工量50㎡(1150円/㎡ × 50㎡ ≒57,500円)。ワンルーム(25㎡前後)の壁面積はおおむね50〜70㎡。一面(縦2.4m×横3.6m=約9㎡)単位の張替えが標準で、全面張替え費用との差が大きい。
| 居住年数 | 残存価値率 | 57,500円請求時の借主負担上限 |
|---|---|---|
| 1年 | 83% | 47,725円 |
| 2年 | 67% | 38,525円 |
| 3年 | 50% | 28,750円 |
| 4年 | 33% | 18,975円 |
| 5年 | 17% | 9,775円 |
| 6年 | 0%(1円) | 1円 |
| 7年 | 0%(1円) | 1円 |
| 10年 | 0%(1円) | 1円 |
標準施工単位: 汚損箇所を含む一面(壁1面単位)。国交省ガイドライン Q&A: 一面単位での張替えが原則に基づき、汚損箇所を超える範囲の請求は過大の可能性があります。
クロス(壁紙)張替えの退去費用を多軸で計算する
居住年数・修繕の部位・特約有無の4軸で、ガイドライン本文 p.12-14「経過年数の考慮」の減価計算と 最高裁H17判決の3要件チェックを組み合わせた借主負担の上限を試算します。
多軸 退去費用計算機(年数 × 費目 × 部位 × 特約)
請求額・居住年数・費目・部位・特約有無の4軸で、国交省ガイドラインと 最高裁H17判決の3要件に基づく借主負担の上限を試算します。
ガイドライン別表2の最低施工単位。一面(縦2.4m × 横3.6m ≒ 9㎡)が借主負担の上限
例:「ハウスクリーニング費用30,000円」「クロス全面張替え費用借主負担」など
残存価値率
50%
借主負担の上限
50,000円
想定減額額
-50,000円
この計算結果に適用される判例・通達
※ 計算は国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 本文 p.12-14「経過年数の考慮」(耐用年数6年・8年・定額法に基づく 残存価値率の考え方)と最高裁平成17年12月16日判決 (平成16(受)1573号)の枠組みに基づく参考値です。最終判断は契約書・ 見積書・現地状況により異なります。
クロス(壁紙)張替えの退去費用をかんたんに計算する
クロス(壁紙)張替えの退去費用 かんたん計算
請求された金額と居住年数を入れると、国交省ガイドラインの減価計算で 借主負担の上限額を試算します。
残存価値率
50%
借主負担の上限
50,000円
減額の目安
-50,000円
※ 故意・過失による損傷分は別途考慮されます。複数の費目をまとめて 計算したい場合は 減価償却計算ツール をご利用ください。
クロス(壁紙)張替えの請求でよくあるパターンと注意点は?
居住6年以上なのに全額請求される
耐用年数6年を超えているため、残存価値は1円。全額請求は過大請求の可能性が高いです。
一部屋だけ汚損があるのに全室分を請求される
借主負担は汚損箇所を含む一面(最低限の施工単位)のみ。全室張替え費用を負担する必要はありません。
通常の日焼けや変色で請求される
日照による変色は通常損耗であり、貸主負担が原則です。
タバコのヤニ汚れで請求される
喫煙による汚損は借主の善管注意義務違反となり、借主負担です。ただし減価計算は適用されます。
確認ポイント
- -請求書に「㎡単価」が記載されているか確認しましょう。相場は800〜1,500円/㎡です。
- -「居住年数」と「耐用年数6年」の関係を確認し、減価計算が適用されているかチェックしましょう。
- -全室張替えではなく、汚損箇所の最低限の施工単位(一面単位)で請求されるべきです。
クロス(壁紙)張替えは判例ごとにどう判定される?
同じ「クロス(壁紙)張替え」でも、参照する判例・通達によって判定の根拠が 異なります。各列のヘッダーには事件番号・別表番号を明記しています。
| 判例・通達(事件番号・別表番号) | 判定 | クロス(壁紙)張替えへの適用根拠 |
|---|---|---|
GLガイドライン 別表1 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表1「損耗・毀損の事例区分(部位別)一覧表(通常、一般的な例示)」(本体PDF p.17-21) 公式ソースを開く → | 減価後の按分 | 別表1「壁・天井(クロス)」: 喫煙ヤニ・落書き等は通常損耗を超える事例として借主負担/日焼け・家具設置跡は通常損耗として貸主負担 |
GLガイドライン 別表2 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表2「賃借人の原状回復義務等負担一覧表」(本体PDF p.22-24) 公式ソースを開く → | 減価後の按分 | 別表2「壁(クロス)」: 借主の負担対象範囲は「汚損箇所を含む一面(最低施工単位)」。経過年数(耐用年数6年)の考慮を併用 |
GLガイドライン 経過年数の考慮 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」本文 p.12-14「経過年数の考慮」/「設備等の経過年数と賃借人の負担割合(耐用年数6年及び8年・定額法の場合)」グラフ 公式ソースを開く → | 減価後の按分 | ガイドライン本文 p.12-14(経過年数の考慮): 耐用年数6年(定額法)。残存価値率 = MAX(1 − 経過年数/6, 0)。6年経過時点で1円 |
GLガイドライン 特約の考え方 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」本文 II-2「特約による賃借人負担の取扱い」(明確性/認識合意/相当性の3要件) 公式ソースを開く → | 条件付き借主負担 | 「全面張替えを借主負担」とする特約は明確性・認識合意・相当性の3要件を満たさなければ成立しにくい |
最高裁H17.12.16 最高裁平成17年12月16日 第二小法廷判決(平成16(受)1573号・民集59巻10号2931頁) 公式ソースを開く → | 条件付き借主負担 | 「クロス張替え一式特約」は本判決の枠組み(範囲の明確化+具体的説明+認識合意)が問われる。包括条項のみでは特約成立を主張しにくい |
最高裁H23.3.24 最高裁平成23年3月24日 第一小法廷判決(平成21(受)1679号・民集65巻2号903頁) 公式ソースを開く → | 射程外 | 敷引特約の判決であり、クロス張替えの直接の射程外 |
出典: 国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(公式ダウンロード) / 最高裁判所判例集(民集59巻10号2931頁・民集65巻2号903頁)。
クロス(壁紙)張替えについてのよくある質問
クロス(壁紙)張替えで押さえるべき監修ポイントは?
クロスは退去費用の争点として最も多い費目です。ガイドラインは「補修は最低限の施工単位(汚損箇所を含む一面)で行う」を原則とし、「壁一面」が請求の上限単位です。実務では原状回復業者が「光触媒・抗菌仕様の高グレードクロス」へのアップグレード費用を借主に転嫁する事例が散見されますが、入居時と同等品(量産クロス、㎡単価1,000円前後)での施工費が借主負担の上限です。耐用年数6年はガイドライン本文 p.12-14(経過年数の考慮)に基づく実務上の運用で、定額法(残存価値率 = MAX(1 − 経過年数/6, 0))を採用します。
クロス(壁紙)張替えで参照すべき判例・通達は何?
国交省ガイドライン 別表1・別表2 壁(クロス)
賃借人の故意・過失による汚損部分のみ借主負担。最低限の施工単位(一面)での精算が原則と明記。
国交省ガイドライン 本文 p.12-14 経過年数の考慮(減価割合)
クロスの耐用年数は6年。6年経過時点で残存価値1円(実質0%)まで直線的に減価する考え方を示す。
最高裁平成17年12月16日 第二小法廷判決
通常損耗の補修費用を賃借人に負担させる特約が成立するには、通常損耗の範囲が契約書に具体的に明記されているか、口頭で具体的に説明され賃借人が認識して合意した内容になっていることが必要、とした事例判決。クロス張替え特約の有効性判断で参照される。
クロス(壁紙)張替えの請求書はどこをチェックすればいい?
- 見積書の「㎡単価」と「施工㎡数」を分けて確認。施工㎡数が部屋の壁総面積を超えていれば過大計上の疑い
- 「クロス全面張替え(戸全体)」の請求は、汚損が一面に限定される場合は過大。一面単位の見積もりへの変更を要求できる
- 高グレードクロス(防カビ・消臭等)への変更費用は、入居時の同等品を超える差額分を借主に転嫁できない
- 減価計算が請求書に明記されていない場合は「居住年数 ÷ 耐用年数」で残存価値率を算出し、再計算を求める
どのケースで貸主負担/借主負担になる?
| ケース | 判定 |
|---|---|
| タバコのヤニで黄ばんだクロス | 借主の善管注意義務違反として借主負担。ただし耐用年数6年の減価は適用される。居住6年以上なら残存価値1円で実質ゼロ |
| 家具設置による日焼け跡・凹み | 通常の使用に伴う変化として通常損耗扱い。原則貸主負担 |
| 子供の落書き | 借主の過失として借主負担。ただし汚損範囲は「一面」単位、減価計算も適用 |
| 壁紙の経年的な変色・剥がれ | 時間経過による経年変化として貸主負担。借主に過失がなければ請求対象外 |
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