相場目安・敷金返還の目安・よくあるトラブルと対策
結論: 東京都の退去費用の相場目安は約6.8万円(当社推計)。 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では経年劣化分は貸主負担が原則で、 個別の請求書はガイドラインに照らして検証することで適正化できます。東京都には公的相談窓口として「東京都住宅政策本部 賃貸ホットライン」(03-5320-4958)があります。
8.9万円
家賃目安
6.8万円
退去費用の相場目安
42%
敷金返還の目安
460万戸
賃貸住宅数
4.2年
平均居住年数
東京都は日本最大の賃貸市場であり、賃貸住宅数は約460万戸に達します。平均家賃は約8.9万円ですが、港区・渋谷区で15〜20万円、世田谷区・杉並区で8〜10万円、足立区・葛飾区で6〜7万円と、区によって大きな差があります。毎年3月の退去が特に集中し、管理会社の対応が雑になりがちです。「東京ルール」の存在が借主保護の強みですが、ルールの存在を知らない借主も多いのが実情です。
東京都の退去費用は平均6.8万円で全国最高水準です。ただし「東京ルール」の適用により、適切に交渉すれば全国平均以下に抑えられるケースも少なくありません。敷金からの精算が一般的で、敷金を超える追加請求は「東京ルール」の説明義務違反を指摘できる場合があります。3月の退去ラッシュ時は一律の「退去費用パック」を提示する管理会社もありますが、個別の損傷状態に基づく精算を求める権利があります。
東京都の退去費用が他県より高く感じられる主因は、家賃が全国平均より約45%高い水準にあり、敷金額・原状回復の単価がそれに連動するためです。原状回復は国交省ガイドラインで「経年劣化分は貸主負担」と明確に定められており、個別の請求書はガイドラインに照らして検証することで適正化できます。
※ 家賃水準の比較は、東京都の専用住宅1ヶ月当たり家賃 81,001円 と全国平均 55,695円 (いずれも 総務省統計局「平成30年(2018年)住宅・土地統計調査」)を基に算出した参考差分です。
下表は、総務省「平成30年(2018年)住宅・土地統計調査」の東京都の1畳当たり家賃 5,128円 (全国平均: 3,074円)に、 共同住宅で一般的な間取り別畳数を掛けた数学的目安です。 立地・築年数・駅距離で大きく変動するため、レンジ表現としています。
| 間取り | 家賃相場の目安(月額) | 敷金1ヶ月分の目安 |
|---|---|---|
| 1R / 1K | 約 44,000 〜 59,000 円 | 約 44,000 〜 59,000 円 |
| 1LDK | 約 78,000 〜 106,000 円 | 約 78,000 〜 106,000 円 |
| 2LDK | 約 109,000 〜 147,000 円 | 約 109,000 〜 147,000 円 |
| 3LDK | 約 139,000 〜 189,000 円 | 約 139,000 〜 189,000 円 |
出典: 総務省統計局「住宅・土地統計調査(平成30年/2018年版)」p.11 都道府県別の主な指標。住宅・土地統計調査は5年に1度実施され、令和5年(2023年)確報集計が2024年9月25日に公表済み。本表は次回更新(2026年Q3)で2023年確報値に置換予定です。
退去費用に関する判断は、公的機関の統計・ガイドラインを根拠にすることが交渉の出発点になります。東京都の借家率は総務省「住宅・土地統計調査」公表値です。
| 指標 | 数値・状況 | 出典 |
|---|---|---|
| 東京都の借家率 | 49.1% | 総務省統計局「住宅・土地統計調査(平成30年/2018年版)」 |
| 全国の賃貸借契約に関する相談件数(年間) | 約13,273件(2022年度) | 国民生活センター「賃貸借契約に関する相談(PIO-NET集計)」 |
| 原状回復の経年劣化分の負担 | 貸主負担が原則 | 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 |
| 民間賃貸住宅の調査範囲 | 全国の入居・退去・敷金返還動向を毎年公表 | 国土交通省「住宅市場動向調査」 |
| 住宅・土地統計調査の最新版 | 令和5年(2023年)確報集計を公表中 | 総務省統計局「住宅・土地統計調査(令和5年/2023年版・確報集計)」 |
※ 本ページの借家率は総務省「平成30年(2018年)住宅・土地統計調査」の都道府県別公表値です。 令和5年(2023年)住宅・土地統計調査「住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)」は 2024年9月25日に公表済みで、最新の都道府県別データは表内「住宅・土地統計調査の最新版」の 出典リンクから確認できます。本ページへの2023年確報値の反映は別途実施します。 賃貸借トラブルの相談件数は国民生活センター PIO-NET の集計値。退去費用そのものの平均値は、 間取り・居住年数・物件状態により大きく変動するため、本ページの統計は参考用途に留め、 個別の請求書は国交省ガイドラインに照らして検証してください。
東京都は都市のヒートアイランド現象により夏季の気温が周辺県より2〜3℃高く、エアコンの長時間稼働が不可避です。エアコン周辺の壁面変色や結露は通常の使用に伴う損耗です。冬季は比較的温暖ですが、北向きの部屋や地階では結露・カビが発生しやすく、特にワンルームマンションでは換気が不十分になりがちです。多摩地域は都心部より寒暖差が大きく、結露リスクがやや高い傾向にあります。
東京都では「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京ルール)」が制定されており、重要事項説明時に退去時の費用負担について書面で説明することが義務付けられています。これは全国の中でも借主保護が手厚い制度です。敷金1〜2ヶ月・礼金1ヶ月が標準ですが、敷金ゼロ・礼金ゼロの物件も増加しています。都心部ではオーナーチェンジ物件が多く、管理会社が変わった際に退去条件が変更されるケースに注意が必要です。
物件の間取り・タイプによって退去費用の目安は異なります。東京都の物件タイプ別の注意点と対策を確認しましょう。
POINT: 退去前にキッチン・浴室を重点的に清掃するだけで、1〜2万円の減額が見込めます。
POINT: 各部屋の入居時の状態を写真で記録しておくことが最も効果的な対策です。
POINT: ファミリー物件では居住年数が長いほど減価計算で有利になります。6年以上居住なら壁紙の残存価値は1円です。
退去のタイミングによって、退去費用や手続きの注意点は異なります。東京都で退去を検討中の方は、時期に応じた対策を確認しましょう。
引越しシーズンの退去費用
湿度とカビの退去費用リスク
閑散期の退去メリット
国土交通省ガイドラインの考え方に基づき、居住年数と費目を入力すると 借主負担の上限額(残存価値)を即時算出します。 減価率の式: 残存価値率 = max(1 − 経過年数 ÷ 耐用年数, 0)
請求された金額と居住年数を入れると、国交省ガイドラインの減価計算で 借主負担の上限額を試算します。
残存価値率
33%
借主負担の上限
33,000円
減額の目安
-67,000円
※ 故意・過失による損傷分は別途考慮されます。複数の費目をまとめて 計算したい場合は 減価償却計算ツール をご利用ください。
※ クロスの耐用年数は6年(国交省ガイドライン別表「経過年数を考慮する内装材」)。 別費目で試算したい場合は下記の「東京都の費目別退去費用」から該当ページへ。
東京都では入居時に退去費用の負担について書面で説明する義務があります。この説明がなされていない場合、退去時の特約の効力を争うことができます。入居時の重要事項説明書を確認し、退去費用の説明がなかった場合は都の賃貸ホットラインに相談しましょう。
3月の退去集中期に、物件の個別状態を確認せず一律の「退去費用パック」を提示するケースがあります。退去費用は実際の損傷に基づいて算出されるべきであり、一律請求は不当です。見積もりの内訳明細を必ず要求しましょう。
東京では「退去時のクリーニング費用は借主負担」とする特約が広く使われています。この特約は、金額が明示されており入居時に説明・合意されていれば有効ですが、「クリーニング費用は実費精算」のような不明確な特約は消費者契約法で無効になる可能性があります。
東京都住宅政策本部が運営する「賃貸ホットライン(03-5320-4958)」では、退去費用に関する無料相談を受け付けています。専門相談員が東京ルール・国交省ガイドラインに基づきアドバイスしてくれます。平日9:00-17:00。
入居時に受け取った「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」を退去前に再確認しましょう。ここに記載された負担区分が退去精算の基準になります。書面がない場合は説明義務違反を主張できます。
東京は物件数が多く管理会社の対応もさまざまです。退去立会い時は必ず写真・動画で全室を記録し、指摘箇所をその場で確認しましょう。書面でのサインは内容を十分に確認してからにしてください。
退去費用や敷金返還で管理会社と折り合いがつかない場合は、 まず無料で利用できる公的な相談窓口に状況を伝え、第三者の見解を聞くことが有効です。 以下は東京都の住民が利用できる公的窓口の連絡先と公式情報です。
メイン窓口
東京都住宅政策本部 賃貸ホットライン
所在地: 東京都新宿区西新宿二丁目8-1 東京都庁第二本庁舎
平日9:00-17:00。23区それぞれにも区の消費生活センターあり
全国共通の住宅専門窓口
住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
国交省指定 住宅専門相談窓口。平日10:00-17:00。退去費用・原状回復・敷金返還に関する電話相談に対応
公式サイトを見る電話で迷ったら「188(消費者ホットライン)」 に発信すると、消費者庁の案内で最寄りの消費生活センターに自動でつながります。
本ページ掲載の東京都相談窓口情報は 時点で公式サイトおよび国民生活センター一覧で確認した値です。
東京都の退去費用の平均は約6.8万円ですが、物件のグレード・エリアで大きく差があります。ワンルーム・1Kで4〜7万円、1LDK〜2LDKで6〜10万円、3LDK以上で10〜15万円が目安です。港区・渋谷区の高級物件はさらに高額になりますが、ガイドラインに基づく減価計算は同様に適用されます。
東京都の「賃貸住宅紛争防止条例」に基づく借主保護のルールです。入居時に退去費用の負担区分について書面で説明する義務を貸主側に課しています。通常損耗は貸主負担であること、特約がある場合はその内容を明示すること等が定められています。この説明がなされていない場合、退去時の特約の効力を争うことができます。
敷金ゼロでも国交省ガイドライン・東京ルールの適用は変わりません。通常損耗は貸主負担です。ただし、敷金がないため退去費用は全額現金精算になり、クリーニング特約がある場合はその金額を退去時に支払う必要があります。特約金額が相場(ワンルームで3〜4万円)を大幅に超える場合は消費者契約法で無効になる可能性があります。
東京都の「賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)」では、入居時に退去費用の負担区分を書面で説明することが貸主側に義務付けられています。この説明(賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書)を受けていない場合、退去時の特約の効力を争うことができます。入居時の重要事項説明書を確認し、説明がなかった場合は都の賃貸ホットライン(03-5320-4958)に相談しましょう。
東京は3月の退去が集中し、物件の個別状態を確認せず一律の「退去費用パック」を提示する管理会社があります。退去費用は実際の損傷箇所と程度に基づいて算出されるべきもので、一律請求は不当です。見積もりの内訳明細を必ず要求し、損傷していない箇所の費用が含まれていないか確認しましょう。立会いは個別の損傷を一つずつチェックする権利があります。
東京の北向きの部屋や地階のワンルームは換気が不十分になりがちでカビが発生しやすい環境です。日常的な換気・拭き取りをしていた場合、カビは建物の構造(採光・通風の不足)に起因する問題として貸主負担を主張できます。一方、換気をまったく行わず放置していた場合は善管注意義務違反を問われる可能性があるため、換気の記録を残しておくと有利です。
港区・渋谷区の高級物件は設備のグレードが高いため修繕単価は高くなりますが、国交省ガイドラインの減価計算は物件のグレードに関係なく適用されます。家賃15〜20万円の高級物件でも、クロスの耐用年数は6年、通常損耗は貸主負担です。「高級物件だから通常損耗も借主負担」という請求には根拠がなく、東京ルールに照らしても不当です。
まず請求書の内訳を確認し、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」と照らし合わせましょう。通常使用による経年劣化(壁紙の日焼け、フローリングの自然な擦り傷など)は貸主負担が原則です。納得できない場合は、①管理会社へ書面で根拠の説明を求める、②消費者ホットライン(188)に相談する、③少額訴訟を検討する、の順で対応するのが効果的です。
退去立会いでは、①事前に部屋全体を写真・動画で記録しておく(日付入り)、②入居時の写真がある場合は持参する、③口頭での確認だけでなく書面にサインを求められた場合は内容を慎重に確認する、④その場で精算書にサインしない(「持ち帰って検討します」と伝える)、⑤立会い担当者の名前と連絡先を確認する、の5点が重要です。
敷金は本来、家賃滞納や借主の故意・過失による損傷の修繕費に充てるための預り金です。通常使用による経年劣化の修繕費を敷金から差し引くことはガイドライン上認められていません。東京都の平均的な物件では、適正に精算すれば敷金の50〜80%程度が返還されるのが一般的です。ただし、ペット飼育や喫煙による汚損がある場合は借主負担分が増えます。
本ページの情報は、以下の公的機関が公表する資料・ガイドラインに基づいています。
クロス(壁紙)張替え
800〜1,500円/㎡
ハウスクリーニング
25,000〜90,000円/戸
鍵交換
10,000〜25,000円/箇所
フローリング補修・張替え
8,000〜30,000円/箇所
クッションフロア張替え
2,000〜4,500円/㎡
カーペット張替え
3,000〜6,000円/㎡
畳表替え・交換
4,000〜8,000円/枚
襖・障子張替え
3,000〜6,000円/枚
エアコン清掃
8,000〜20,000円/台
キッチン清掃
15,000〜25,000円/式
浴室清掃
12,000〜20,000円/式
トイレ清掃
8,000〜15,000円/式
換気扇清掃
8,000〜15,000円/台
窓・サッシ清掃
5,000〜10,000円/箇所