- ✓退去通知を期限内に提出する
- ✓契約書の原状回復条項を読み直す
- ✓入居時の写真・記録を用意する
- ✓自分でできる掃除・補修を行う
退去時のチェックリスト(引越し前にやるべきこと7ステップ)
引越しが決まったら、退去費用を最小限に抑えるためにやるべき準備があります。退去通知のタイミングを間違えると余計な家賃が発生し、立会い時のチェックを怠ると不当な請求を受けるリスクも。この記事では、退去前に必ず確認・実行しておくべき7つのステップを順番に解説します。
手順
- 1
退去通知を期限内に提出する
賃貸借契約書に記載された退去予告期間(通常1〜2ヶ月前)を確認し、期限内に書面で退去通知を提出しましょう。口頭だけでは証拠が残らないため、必ず書面(メールや書留郵便)で行います。退去予告期間を過ぎてからの通知は、翌月分の家賃を請求される原因になります。
POINT: 契約書が手元にない場合は管理会社に連絡して確認しましょう。退去通知のテンプレートは管理会社が用意していることが多いです。
- 2
契約書の原状回復条項を読み直す
退去費用のトラブルの多くは、契約書の内容を把握していないことが原因です。特約事項に「ハウスクリーニング費用は借主負担」「鍵交換費用は借主負担」などの記載がないか確認しましょう。国土交通省のガイドラインでは、通常使用による損耗(経年劣化)は貸主負担が原則です。
POINT: 特約に書かれていても、消費者契約法に照らして無効になるケースもあります。不安な場合は退去費用 払いすぎ診断で無料診断を受けてみましょう。
- 3
入居時の写真・記録を用意する
入居時に撮影した写真や、入居時チェックシートが残っていれば必ず用意しましょう。退去時に指摘された傷や汚れが入居前からあったことを証明できれば、その分の費用を負担する必要はありません。写真がない場合でも、入居時に管理会社へ報告した記録(メールなど)があれば有効です。
POINT: 入居時の写真がない場合は、退去前の現時点で部屋の状態を写真・動画に記録しておきましょう。日付入りで撮影すると証拠としての信頼性が上がります。
- 4
自分でできる掃除・補修を行う
退去前に丁寧に掃除をしておくことで、ハウスクリーニング費用の減額が期待できます。特にキッチンの油汚れ、浴室のカビ、トイレの水垢は重点的に。壁の画鋲穴は通常使用の範囲ですが、ネジ穴や大きな傷は補修キット(ホームセンターで500〜1,000円程度)で目立たなくしておくと印象が変わります。
POINT: 市販の「壁穴補修パテ」と「クロス補修テープ」があれば、小さな傷はほとんど目立たなくなります。費用対効果が非常に高い対策です。
- 5
退去立会いの日程を調整する
退去立会いは、管理会社(または大家さん)と一緒に部屋の状態を確認する重要なステップです。必ず自分も立ち会い、指摘された箇所を一つひとつ確認しましょう。立会いなしで退去すると、知らない間に高額な修繕費を請求されるリスクがあります。日程は平日の午前中が比較的スムーズに進みやすいです。
POINT: 立会い時にはスマートフォンで動画を撮影しておきましょう。後から「言った・言わない」のトラブルを防げます。撮影前に一言断るのがマナーです。
- 6
立会い時にその場でサインしない
退去立会いの際に「精算書」や「確認書」への署名を求められることがありますが、金額が記載されている場合はその場で署名しないでください。内容を持ち帰って確認し、不明点は管理会社に質問してから署名しましょう。一度署名すると、後から金額を争うことが非常に難しくなります。
POINT: 「持ち帰って確認します」と伝えれば問題ありません。焦ってサインする必要はありません。書類のコピーをもらうか、写真に撮っておきましょう。
- 7
請求書の内容を精査する
退去後に届く請求書(精算書)の内容を一つひとつ確認しましょう。チェックポイントは、経年劣化分が差し引かれているか、単価が相場と比べて妥当か、入居時から存在した傷が含まれていないか、の3点です。不当な請求項目があれば、根拠を示して管理会社に減額交渉を行いましょう。
POINT: 退去費用 払いすぎ診断を使えば、請求書の内容をAIが分析し、交渉に使えるレポートを自動生成します。交渉が苦手な方におすすめです。
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無料で退去費用を診断する退去通知の最適なタイミングはいつ?
賃貸借契約書に記載された退去予告期間(一般に1〜2ヶ月前)に従って書面で通知します。期間を過ぎると翌月分の家賃が発生するため、引越し予定日が確定したら即書面化するのが安全です。改正民法第617条が解約期間の原則を定めますが、特約による1〜2ヶ月前ルールが優先されます。
立会い時のサイン保留は法的に問題ない?
問題ありません。退去立会い時の精算書・確認書への署名は法律上の義務ではなく、保留する権利があります。署名すると後の交渉や少額訴訟で「合意があった」と評価されやすくなり不利になります。「見積書(正式な請求書)が届いてから判断します」と保留する対応が改正民法第621条・第622条の2の枠組み内で適切です。
条文・判例で確認するこの論点の根拠
本セクションは、裁判所Webサイト・e-Gov法令検索・国土交通省で公開されている一次情報を、本ページのテーマに直接関係する範囲で構造化したものです。判旨の射程・実務的含意は当編集部の解釈であり、個別事案の助言ではありません。
- 法令
識別番号: 平成29年法律第44号(民法の一部を改正する法律)
改正民法第621条(2020年4月1日施行)()
当時適用された法令: 民法第621条(賃借人の原状回復義務) / 民法第622条の2(敷金)
通常損耗・経年変化は賃借人の原状回復義務に含まれないことを法律で明文化。ガイドラインの考え方が法律レベルに引き上げられた。
判旨・条文の要点を表示
改正民法第621条本文は「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う」と定める。但書で、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは原状回復義務を負わない、とも明示する。これにより、通常損耗・経年変化(経年劣化)は原則として借主負担にできないことが法律で明確化された。
射程の注意: 本条は2020年4月1日以降に締結された賃貸借契約に適用される。それ以前の契約には改正前民法が適用されるが、実務上は判例法理として同様の結論が示されてきた。
- 法令
識別番号: 平成29年法律第44号(民法の一部を改正する法律)
改正民法第622条の2(2020年4月1日施行)()
当時適用された法令: 民法第622条の2(敷金) / 民法第621条(賃借人の原状回復義務)
敷金の定義と返還ルールを法律で明文化。賃貸借終了後、賃貸物の返還を受けたときに、敷金から賃借人が負う金銭債務を控除した残額を返還する義務がある。
判旨・条文の要点を表示
改正民法第622条の2第1項は、賃貸人は、敷金を受け取っている場合において、(1)賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき、または(2)賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき、敷金の額から賃借人が賃貸人に対して負う金銭債務の額を控除した残額を返還しなければならないと定める。同条第2項は、賃貸人は、賃借人が賃貸借契約に基づいて生じた金銭債務を履行しないときは、敷金をその弁済に充てることができる旨を定める(賃借人からの充当指定は不可)。改正前は明文がなく、判例・慣行に委ねられていた。
射程の注意: 敷金から控除できるのは「賃借人が負う金銭債務」に限られる。通常損耗・経年変化の修繕費は原状回復義務の対象外(621条)のため、これを控除することはできない。
- 行政指針
識別番号: 国土交通省住宅局住宅総合整備課(再改訂版)
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版・平成23年8月)()
当時適用された法令: 民法第621条(賃借人の原状回復義務) / 民法第622条の2(敷金)
退去時の原状回復費用について、借主負担と貸主負担の区分・耐用年数・減価計算の基準を示した国の指針。法的拘束力はないが裁判所の判断基準として広く参照される。
判旨・条文の要点を表示
本ガイドラインは、賃貸住宅の退去時における原状回復費用の負担をめぐるトラブルを未然に防止することを目的に、国土交通省が平成10年に策定し、平成16年・平成23年に改訂したもの。法的拘束力はないが、裁判所の判断基準としても広く参照され、賃貸実務の事実上の標準となっている。別表1(損耗・毀損の事例区分・部位別一覧表)、別表2(賃借人の原状回復義務等負担一覧表)、本文p.12-14「経過年数の考慮」(クロス6年・カーペット6年・エアコン6年・流し台5年・便器15年等)を定めている。
射程の注意: 行政の指針であり、それ自体には法的強制力はない。ただし裁判例で頻繁に参照されているため、実務上の標準として位置付けられる。
よくある質問
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