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退去費用AI診断 — 算出方法・データソース
1. 概要
「退去費用AI診断」は、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」に基づき、 賃貸住宅退去時の原状回復費用について、請求額の適正性を診断するオンラインサービスです。
退去時に管理会社・貸主から提示された請求書の各項目について、 ガイドラインに基づく「貸主負担/借主負担」の判定と、 耐用年数に基づく残存価値計算を行い、適正な負担額を算出します。
2. データソース
2.1 ガイドライン
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(平成23年8月)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html - 東京都「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」(令和4年改訂版)
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-6-jyuutaku.html
2.2 判例データ
- 最高裁判決 平成17年12月16日(自然損耗の原状回復費用を賃借人に負担させる特約の有効性)
- 最高裁判決 平成23年3月24日(敷引特約の有効性 — 高額すぎる場合は無効)
- 東京地裁・簡裁の原状回復関連判決データベース
2.3 耐用年数データ
- 財務省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(別表第1)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040015 - 国土交通省ガイドライン別表に記載の各設備・内装材の耐用年数
2.4 清掃・修繕相場
- ハウスクリーニング業者の見積りデータ(部屋タイプ別の全国相場、2024〜2026年)
- 内装工事業者の施工単価データ(クロス張替え、フローリング補修等)
3. 算出ロジック
各請求項目について、以下の3段階で適正額を算出します:
Step 1: 負担区分の判定
ガイドラインの「A表(貸主負担)」「B表(借主負担)」に基づき、 各損耗・毀損が通常使用による自然損耗か、借主の故意・過失によるものかを判定。
- A: 経年変化・通常使用損耗 → 貸主負担(原則)
- B: 借主の故意・過失・善管注意義務違反 → 借主負担
Step 2: 耐用年数に基づく残存価値計算
残存価値率 = max(1 - 経過年数 / 耐用年数, 残価率)
借主負担額 = 修繕費用 × 残存価値率
※ 残価率はクロス等の場合、6年で残存価値1円とする(ガイドライン準拠)
Step 3: 特約の有効性判定
賃貸借契約書に通常損耗の原状回復を借主負担とする特約がある場合、 以下の判例基準で有効性を評価:
- 特約の必要性・合理的理由の説明があること
- 賃借人が特約の内容を認識していること
- 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
4. パラメータ一覧
4.1 主要設備の耐用年数
| 項目 | 耐用年数 | 根拠 |
|---|---|---|
| クロス(壁紙) | 6年 | ガイドライン別表 |
| カーペット | 6年 | ガイドライン別表 |
| クッションフロア | 6年 | ガイドライン別表 |
| フローリング | 建物耐用年数に準じる | ガイドライン別表 |
| 畳表 | 消耗品 | 経過年数は考慮しない |
| 襖紙・障子紙 | 消耗品 | 経過年数は考慮しない |
| エアコン | 6年 | 減価償却資産の耐用年数表 |
| 給湯器 | 6年 | 減価償却資産の耐用年数表 |
| 便座・便器 | 15年 | 減価償却資産の耐用年数表 |
| 洗面台 | 15年 | 減価償却資産の耐用年数表 |
| ユニットバス | 建物耐用年数に準じる | ガイドライン別表 |
| 鍵の交換 | — | 原則貸主負担 |
| ハウスクリーニング | — | 特約の有無による |
4.2 ハウスクリーニング相場
| 部屋タイプ | 相場(税込) |
|---|---|
| ワンルーム・1K | 15,000〜30,000円 |
| 1DK・1LDK | 25,000〜45,000円 |
| 2DK・2LDK | 35,000〜60,000円 |
| 3DK・3LDK | 50,000〜80,000円 |
| 4LDK以上 | 70,000〜100,000円 |
4.3 判例データベース
原状回復に関する主要判例(最高裁・高裁・地裁)を体系的に分類し、 各請求項目の「貸主負担/借主負担」判定の根拠として使用しています。 収録判例数: 約50件(2005年〜2026年)。
5. 精度・限界
精度目標: ガイドラインに基づく適正負担額の参考値として、 実務的に合理的な範囲内の数値を提示することを目標としています。
限界事項:
- 損耗の程度(軽微/中度/重度)はユーザーの自己申告に基づくため、 客観的な評価とは異なる場合があります
- 個別の賃貸借契約の特約内容を完全に反映することはできません
- 地域の慣行(関西の敷引き制度等)は限定的に反映しています
- 喫煙によるヤニ汚れ、ペットによる損傷等の特殊事情は個別判断が必要です
- 法的拘束力はなく、最終的な負担額は当事者間の交渉または裁判で決定されます
推奨: 本サービスの診断結果は、管理会社・貸主との交渉における参考資料としてご利用ください。 紛争が解決しない場合は、各地の消費生活センターまたは弁護士にご相談ください。
6. 更新頻度・改訂履歴
ガイドライン準拠: 国土交通省ガイドラインの改訂時に即時対応
判例データ: 重要判例の確定時に随時追加(年間5〜10件)
清掃・修繕相場: 半年ごとに市場データを更新
改訂履歴
| 日付 | バージョン | 変更内容 |
|---|---|---|
| 2026年3月 | 1.0 | 初版公開 |
7. 引用方法
本データの引用にあたっては、以下の形式をご利用ください。
株式会社Mycat「退去費用AI診断 算出方法・データソース」
https://taikyo.xyz/methodology
(最終閲覧日: YYYY年MM月DD日)
BibTeX:
@misc{mycat_taikyo_2026,
author = {株式会社Mycat},
title = {退去費用AI診断 算出方法・データソース},
year = {2026},
url = {https://taikyo.xyz/methodology},
note = {Accessed: 2026-03-21}
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