ハウスクリーニング退去費用の相場と特約の有効性【2026年版】
最終更新: 2026年5月 | 監修: 株式会社Mycat 退去費用 払いすぎ診断 編集部(国交省ガイドライン準拠) | 次回更新予定: 2026年11月
ハウスクリーニングの退去費用 — 結論
払う必要はある?: 原則として貸主負担(特約が成立していれば借主負担)。
相場は?: 相場は25,000〜90,000円/戸(市場相場・SSOT準拠)。
根拠は?: 国交省ガイドライン別表第3 全体 / 最高裁平成17年12月16日判決。通常損耗を借主負担とする特約は最高裁平成17年12月16日判決 (平成16(受)1573号)の3要件(明確性・認識合意・相当性)で判定。
ハウスクリーニングの相場はいくら?
相場レンジ
25,000〜90,000円/ 戸
デフォルト負担区分
貸主(大家)負担
ハウスクリーニングは国交省ガイドラインでどう扱われる?
国交省ガイドライン別表第3 全体 / 最高裁平成17年12月16日判決
ハウスクリーニング費用は、通常の清掃を行っている場合は原則として貸主負担です。特約で借主負担とする場合は、(1)金額が明記されていること、(2)借主が十分に説明を受け合意していること、(3)金額が相場の範囲内であること、の3要件を満たす必要があります。
ハウスクリーニングが請求書にありますか?
AIが30秒でガイドライン基準の参考計算値を算出します。
減価計算について
ハウスクリーニングには耐用年数の概念は適用されません。経過年数による減価計算は行われず、特約が有効な場合は固定金額での請求となります。
ハウスクリーニングの退去費用を多軸で計算する
居住年数・修繕の部位・特約有無の4軸で、ガイドライン本文 p.12-14「経過年数の考慮」の減価計算と 最高裁H17判決の3要件チェックを組み合わせた借主負担の上限を試算します。
多軸 退去費用計算機(年数 × 費目 × 部位 × 特約)
請求額・居住年数・費目・部位・特約有無の4軸で、国交省ガイドラインと 最高裁H17判決の3要件に基づく借主負担の上限を試算します。
ワンルーム25,000〜35,000円が市場相場
例:「ハウスクリーニング費用30,000円」「クロス全面張替え費用借主負担」など
残存価値率
対象外
借主負担の上限
100,000円
想定減額額
-0円
この計算結果に適用される判例・通達
※ 計算は国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 本文 p.12-14「経過年数の考慮」(耐用年数6年・8年・定額法に基づく 残存価値率の考え方)と最高裁平成17年12月16日判決 (平成16(受)1573号)の枠組みに基づく参考値です。最終判断は契約書・ 見積書・現地状況により異なります。
ハウスクリーニングの退去費用をかんたんに計算する
ハウスクリーニングの退去費用 かんたん計算
請求された金額と居住年数を入れると、国交省ガイドラインの減価計算で 借主負担の上限額を試算します。
この費目は経過年数による減価計算の対象外です。請求額 100,000円 がそのまま判定対象になります(特約の有効性・通常損耗かどうかで 負担の有無が決まります)。
※ 故意・過失による損傷分は別途考慮されます。複数の費目をまとめて 計算したい場合は 減価償却計算ツール をご利用ください。
ハウスクリーニングの請求でよくあるパターンと注意点は?
特約に金額が明記されていないのに請求される
最高裁平成17年12月16日判決は、通常損耗補修費用を賃借人に負担させる特約には対象範囲の明確化または口頭での具体的説明と賃借人の認識・合意が必要、と判示しました。金額・対象が曖昧な特約は成立が争われる余地があります。
相場を大幅に超える金額で請求される
金額の妥当性そのものより、特約内容の明確性・説明状況・合意の認識を確認する論点です。相場(ワンルーム2.5〜3.5万円)を大きく超える場合は、特約条項の明示・説明・消費者契約法10条等を含め総合的に検討します。
通常の清掃を行っていたのに請求される
特約がない場合、通常の清掃を行っていればクリーニング費用は貸主負担が原則です。
確認ポイント
- -賃貸借契約書の特約条項を確認し、金額が明記されているかチェックしましょう。
- -特約の説明を入居時に受けたか、記録が残っているか確認しましょう。
- -請求額が間取りの相場範囲内かどうか比較しましょう。
ハウスクリーニングは判例ごとにどう判定される?
同じ「ハウスクリーニング」でも、参照する判例・通達によって判定の根拠が 異なります。各列のヘッダーには事件番号・別表番号を明記しています。
| 判例・通達(事件番号・別表番号) | 判定 | ハウスクリーニングへの適用根拠 |
|---|---|---|
GLガイドライン 別表1 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表1「損耗・毀損の事例区分(部位別)一覧表(通常、一般的な例示)」(本体PDF p.17-21) 公式ソースを開く → | 貸主負担 | 別表1「全体・台所・浴室・トイレ」: 通常清掃を実施していれば原則貸主負担。借主の故意・過失による著しい汚損のみ借主負担 |
GLガイドライン 別表2 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表2「賃借人の原状回復義務等負担一覧表」(本体PDF p.22-24) 公式ソースを開く → | 貸主負担 | 別表2「清掃」: 原則貸主負担。借主負担とするには別途特約が必要で、特約金額の明確性・賃借人の認識合意が要件 |
GLガイドライン 経過年数の考慮 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」本文 p.12-14「経過年数の考慮」/「設備等の経過年数と賃借人の負担割合(耐用年数6年及び8年・定額法の場合)」グラフ 公式ソースを開く → | 射程外 | ハウスクリーニングは経過年数を考慮しない(消耗品的扱い) |
GLガイドライン 特約の考え方 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」本文 II-2「特約による賃借人負担の取扱い」(明確性/認識合意/相当性の3要件) 公式ソースを開く → | 条件付き借主負担 | クリーニング特約は明確性(金額明示)・認識合意・相当性(地域相場)の3要件を満たして有効 |
最高裁H17.12.16 最高裁平成17年12月16日 第二小法廷判決(平成16(受)1573号・民集59巻10号2931頁) 公式ソースを開く → | 条件付き借主負担 | 本判決の中心的射程。クリーニング特約の有効性は本判決の3要件で判断される代表費目。「実費」「業者見積もり」のみの曖昧記載は不十分 |
最高裁H23.3.24 最高裁平成23年3月24日 第一小法廷判決(平成21(受)1679号・民集65巻2号903頁) 公式ソースを開く → | 射程外 | 敷引特約の判決であり、クリーニング特約の直接の射程外 |
出典: 国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(公式ダウンロード) / 最高裁判所判例集(民集59巻10号2931頁・民集65巻2号903頁)。
ハウスクリーニングについてのよくある質問
ハウスクリーニングで押さえるべき監修ポイントは?
ハウスクリーニングは退去費用の中で最もトラブルが多い費目です。ガイドラインは「通常清掃を行っていれば原則貸主負担」と明確に位置づけており、借主負担とするには有効な特約が必要です。最高裁平成17年12月16日判決は、通常損耗の補修費用を賃借人に負担させる特約は、対象範囲が契約書に具体的に明記されているか、口頭で具体的に説明され賃借人が認識・合意した内容でなければ成立しないと判示しました。実務では(1)金額の明示、(2)賃借人の認識・合意、(3)金額の相当性、を判断材料とするのが慣例です。特約金額が相場(ワンルーム25,000〜35,000円)を超える場合や「特別清掃費」名目で別途請求するケースは、二重請求の疑いを必ず確認すべきです。
ハウスクリーニングで参照すべき判例・通達は何?
最高裁平成17年12月16日 第二小法廷判決
通常損耗補修費用を賃借人負担とする特約は、その対象範囲が契約書に具体的に明記されるか、口頭で具体的に説明されて賃借人が認識・合意した内容になっていなければ成立しない、とした事例判決。ハウスクリーニング特約の有効性議論で参照される基本判例。
国交省ガイドライン 別表1・別表2 全体
通常の清掃(換気・拭き掃除等)を実施していれば、退去時のクリーニング費用は原則貸主負担と明記。
国交省ガイドライン §2 特約の考え方
特約で借主負担とする場合の有効要件として、明確性・合意性・相当性を示す。
ハウスクリーニングの請求書はどこをチェックすればいい?
- 契約書に金額が「実費」「業者見積もり」など曖昧表記の場合は特約が無効になる可能性が高い
- ハウスクリーニング特約とは別に「キッチン清掃」「浴室清掃」を上乗せ請求するのは二重請求の疑い
- 管理会社指定業者の料金が相場の2倍以上の場合は、特約条項の明確性・契約時の説明状況・賃借人の認識合意に加え、消費者契約法10条等の観点から金額の相当性を個別に確認する必要がある
- 退去前に借主自身で念入りに清掃し、写真記録を残せば、「通常清掃を行った」事実の立証材料になる
どのケースで貸主負担/借主負担になる?
| ケース | 判定 |
|---|---|
| 契約書に「クリーニング費用30,000円(税別)」と明記 | 明確性・相当性を満たし特約有効。借主負担30,000円 |
| 契約書に「退去時に実費清算」とのみ記載 | 金額未明記で明確性要件を満たさず特約無効の可能性。貸主負担に戻る |
| 特約あり、かつ通常清掃も行っていた | 特約が有効なら特約金額が借主負担。通常清掃の有無は影響しない |
| 特約なし、通常清掃を行っていた | 貸主負担。ハウスクリーニング費用の請求自体に根拠がない |
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