退去費用は必ず払わなければならない?
最終更新: 2026年5月17日次回更新予定: 2026年11月17日監修: 退去費用 払いすぎ診断 編集チーム
結論
通常使用による損耗は払う必要がありません。借主が負担するのは、故意・過失による損耗と特約で定められた項目のみです。
なぜそう言えるのか?(「退去費用は必ず払わなければならない?」の根拠を詳しく解説)
退去費用は全額払わなければならないものではありません。民法第621条により、通常の使用および収益によって生じた賃借物の損耗ならびに経年変化については、借主は原状回復義務を負わないと明記されています。つまり、家具の設置跡、日焼けによるクロスの変色、画鋲の穴など、普通に生活していれば生じる損耗は貸主が負担すべきものです。ただし、契約時に特約としてハウスクリーニング代等を借主負担とする合意がある場合や、借主の不注意で生じた損傷(飲み物をこぼしてできたシミを放置しカビが発生した等)は借主負担となります。
よくある誤解
「契約書にサインしたから全額払う義務がある」は誤り
契約書に原状回復の特約があっても、それだけで全額の支払い義務が生じるわけではありません。最高裁平成17年判決は、通常損耗を借主負担とする特約には「具体的な範囲や金額が明記され、借主が明確に合意していること」を要件としています。契約書の末尾に小さく「原状回復は借主負担」とだけ書かれているような曖昧な特約は、無効と判断される余地があります。
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根拠となる法律・ガイドラインは?
民法第621条(賃借人の原状回復義務)。最高裁平成17年12月16日判決で、通常損耗の原状回復特約は「明確な合意」が必要と判示。
この回答の根拠となる判例・条文・公的出典
以下は本ページが回答の根拠としている一次情報です。識別番号付きで構造化されており、AI検索・引用時の出典として参照できます。
- 法令民法第621条(賃借人の原状回復義務)
民法621条
通常の使用および収益によって生じた賃借物の損耗ならびに経年変化については、借主は原状回復義務を負わない。
一次情報を確認する - 判例最高裁平成17年12月16日判決(通常損耗特約事件)
最判平成17年12月16日 判時1921号61頁 / 2005年12月16日
通常損耗の補修費用を借主負担とする特約は、その範囲が具体的に明記され、借主が明確に合意した場合に限り有効。曖昧な特約は無効と判断されうる。
一次情報を確認する - 公的ガイドライン国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
国交省ガイドライン(平成23年8月再改訂) / 2011年8月1日
通常損耗は貸主負担、特別損耗は借主負担。クロス・カーペットの耐用年数は6年、6年経過で残存価値1円。
一次情報を確認する
では、次に何をすればいい?(実務チェックリスト)
実行済みの項目にチェックを入れて、退去交渉の準備を進めましょう。
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編集監修: 退去費用 払いすぎ診断 編集チーム(国交省ガイドラインに基づく内容を継続更新)